信州友愛ロータリークラブ 例会
2021年2月3日開会 (通算5回)

例会開催は、毎週水曜日0時より開催となっております。

開会点鐘・歌の斉唱

会長挨拶

ロータリーソング 「手に手つないで」
1.
手に手つないで つくる友の輪   
輪に輪つないで つくる友垣
手に手 輪に輪   
ひろがれまわれ 一つ心に
おおロータリアン   
おおロータリアン
2.
手に手つないで つくる友の輪   
輪に輪つないで つくる友垣
手に手 輪に輪   
ひろがれまわれ 世界とともに
おおロータリアン   
おおロータリアン
さん、こんにちは。今年の節分は2月2日でしたね。今まで2月3日は節分の日ということで過ごしてきましたが。

暦により天体の運行を推算し、暦象年表の発行や暦要項の発表を行う国立天文台の暦(れき)計算室によると、節分の日が2日になるのは1897(明治30)年2月2日以来124年ぶり、3日でなくなるのは1984(昭和59)年2月4日以来37年ぶりだそうです。

節分は災いを追い払う古くから日本の文化に根付く古風な行事です。古式ゆかしき伝統行事は大変奥深い意味があります。伝統はこうして守られ継続されてきています。
ロータリークラブも同じく長い歴史を持っている伝統クラブはやはり例会にも格式を感じます。
ただ、この伝統を守るが故の弊害があることも事実です。つまり革新や変化を拒んでしまうことです。頑になってしまうと、それは新しい人を入れることは大変難しくなります。
常に多様性と革新性及び柔軟性を求めないと伝統も守れない現象になってしまいます。いわゆるガラパゴス現象と言われるものです。
伝統を守るということは後世に繋げるという意味があります。後世にはその時代にあったスタイルにしながら繋げていく必要があります。
私達は、まさに変化をし多様性を追求していくクラブです。ただしロータリーとしての根幹や意義は確実に守っていかなくてはなりません。
変化に適応し、そして新たな文化伝統を作る。こうして世代に渡ってつないでいくことができます。
物事を変えるというのは大変なエネルギーを要します。批判もあるでしょう。けれどそれらを克服した先にはきっと素晴らしい世界があると信じています。
何もしないよりは行動すれば、その時点ですでにステージは一段上がっているはずです。

本日は信州友愛ロータリークラブの副会長である大嶋 三紀夫さんに卓話をして頂きます。長い歴史を歩んでいる名家のご出身ということで貴重なお話をして頂けます。よろしくお願いします。

 

幹事報告

幹事報告
【理事会報告】
  Web siteに掲載済み
 
【連絡・報告事項】 例会出席率 クラブ設立よりこれまで回の例会が開催された。

     第一回(1/6~)第二回(1/13~)とも100%、
     第三回(1/20~)は95.8%と高い出席率であった。 国際ロータリー第2600地区(長野県域)より当クラブ員2名の委員が委嘱された。 任期(2021~2022年度)
・金児 進会員・・・地区委員会 DL(ディスカッション リーダー)

RLI(Rotary Leadership Institute)とは、次代のロータリークラブのリーダー研修制度。

堀川 豊会員・・・①2600地区事務所 事務局(今年度に続き)
          ②地区デジタル化推進委員会 委員

  松本西南ロータリークラブ(協力クラブ)への例会参加     1月中の例会は開催中止となり2月以降に調整する。     中信第一・第二グループ合同IM(インターシティミーティング)への参加について     2月27日13:30~松本市のザ・ブライドガーデンにて、「各クラブの代表者(会長、幹事)の参加+ライブ配信」という形で参加。  

メークアップ&ニコニコボックス

下記の皆様よりニコニコボックスを頂きました。

信州友愛RC 大嶋三紀夫君
「この度、私の次男・尚志がアステック株式会社の代表取締役社長に就任しました。今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いします。」

信州友愛RC 金児進君
「新型ウィルス感染の拡大がまだ止まりません。くれぐれも自己防衛に徹してください。 さらにクラブ会員の皆さんが健康であり、益々のご活躍をされますよう祈念してニコボックスに協力させていただきます。 1/27は娘の誕生日です。家族でお祝いをする予定です。」

信州友愛RC 宮田繁ニ郎君
「本日もたいへん勉強になりました。 ありがとうございます。」

信州友愛RC 市川誠君
「今井先生 RCの事業資金、特にR財団と米山奨学会についてお話し頂きありがとうございました。これからも よろしくお願い致します。 」



下記の、2名の皆様よりメークアップを頂きました。

藤森康友様

佐藤僚太郎様



誠にありがとうございます。クラブを代表しましてお礼申し上げます。

※ご投稿頂いたあとにお支払いをされていないと証明書が発行出来ません。
送ったのに証明書が来ないなどご不明な点がありましたらお知らせください。

卓話

自己小伝及び信州松本 南涯館のご紹介

信州友愛ロータリークラブ 副会長 大嶋 三紀夫様
信州友愛ロータリークラブ 23日例会 卓話
 
 築164年大嶋家住宅【信州松本 南涯館】
「古民家コミュニティースペースとして活用へ」

 
信州友愛ロータリークラブ副会長の大嶋です。
卓話に入る前に、簡単ではありますが私のロータリー歴を紹介いたします。
 
【私のロータリー歴】
1994年    松本ロータリークラブ入会
20022003年 同クラブ幹事
2005年    同クラブ退会
2010年    同クラブ再入会
2014-2015年 同クラブ幹事(2度目)
2019年    同クラブ退会
2020年    信州友愛ロータリークラブ入会 現在に至る
以上ロータリー歴は20年になります。
職業分類は広告業。 株式会社大嶋エージェンシー代表取締役社長を務めています
広告代理業の他、イベントの企画・運営・会場設営等を主業務として扱っています。
ロータリー関係では、第2600地区の地区大会及び地区研修協議会等の企画・運営・会場設営業務を担当させて頂きました
私のロータリアンとしての信条は「Yes I do」です。ロータリアンとして求められている使命に前向きに取り組み、奉仕活動を通じてお役に立ちたいと願っています。
この度、国際ロータリー第2600地区・信州友愛ロータリークラブの創立に向けて参画させて頂きましたことは、私にとっても大変名誉なことであり大勢のロータリアンの皆様とご縁を頂戴したことに感慨深く感謝申し上げる次第であります。
今後ともよろしくお願いします。
 
それでは、この度の例会卓話の本題に入ります。
私が先祖代々から受け継いでいる古民家を地域のコミュニティーの場として活用するために実践してきたことについてお話ししたいと思います。
江戸時代末期の1857年(安政4年)建てられた大嶋家住宅は、今年で築164年を迎えた信州特有の本棟造りと呼ばれる古民家です。
 
【本棟造りの特長】
本棟造りの特長は以下の通りです。
①信州の中信から南信地域に在る民家の特有の建築工法です。
②切り妻屋根、なだらかな勾配の屋根。
 「大鷲が羽を広げているような大屋根」 その風格と見事な造形美
③妻入り ※妻側に入口がある→ 本棟造りだけの典型的な特長
④建物がほぼ正方形である
⑤屋根飾りとして「雀踊り」及び「懸魚(げぎょ)」が付いている。
 
大嶋家住宅の概要は添付の資料またはホームページ(「古民家 南涯館」で検索)をご覧頂ければと思います。
2017年に大嶋家住宅主屋が国登録有形文化財に認定され、現在では「信州松本 南涯館」と命名し「古民家コミュニティースペース」として市民に利用されています。
 
【大嶋家の歴史】
それでは、此処で大嶋家の歴史について触れたいと思います。
1552年(天文21年)大嶋家初代・武之助が武田信玄の命を受けて信州松本の地に居を構えたことが大嶋家のルーツと伝えられています。
当時は、いまから約470年前に遡り、松本城が築城される40年前に当たります
以降、大嶋家は先祖代々に受け継がれ私が15代目となります。
現在ある大嶋家住宅(南涯館)は9代目・友七と10代目・伍八郎の二代に亘って建てられたものであります。
現在に至るまで何度かの改修工事も実施して参りましたが、本棟造りの象徴である建物の外観の形状を始め柱・梁そして懸魚と欄間の彫刻物は建築当時のまま遺っています。
1975年に私の祖父・13代目太郎が亡くなってからは、現在に至るまで建物は空き家になっています。
 
【大嶋家住宅の現況】
1975年(昭和50年)から現在に至るまで空き家。
2011年(平成23年)に14代目父・一義が亡くなってから、15代目の私が受け継ぎ維持管理に務める
2013年(平成25年)より地域のコミュニティー活動の場として市民に開放する
2017年(平成29年)10月、国登録有形文化財に認定される。
 
【大嶋家住宅継承のための活用へ】
2013年(平成25年)に父が亡くなり、この大嶋家住宅を私が継承することになりました。
但し、それ以前も父が病気療養中であったため実質的な管理は私が行っていましたが、空き家での維持管理の苦労を身に沁みて感じていました。
毎年掛かる建物管理のための費用負担も大変ですが、それ以上に重荷になっていたのは「この建物を後世に受け継ぐべき」という私の強い使命感でした。
そしてそんな状況下、父が亡くなった翌年の2012年(平成24年)に私は決断しました。
それは、「この空き家になっている大嶋家住宅を地域のコミュニティーの場として活用したい。」という思いでした。
これまで父の代から約40年間、この空き家を「いつでもこの家で暮らせる状態に保つべき」という使命感で維持管理に努めてきたわけですが、年間に親戚以外は殆ど訪れることない古民家を虚しく思う気持ちが拡がってきました。
当時、マスコミ等で古民家ブームが取り上げられ、都会に暮らす人々が古民家で暮らすために地方に移住する人々が増え、またレストランとかカフェ等の店舗に改装したりして【古民家の活用】が話題になり始めました。
この大嶋家住宅でも、映画及びテレビドラマのロケ場所として頻繁に利用されるようになりました。製作者側からすれば、空き家であるためロケ場所に適していたようです。
そして、翌年の2013年(平成25年)に「信州松本 南涯館」と命名し、コミュニティーの場として活用を開始しました。
当初は、まだ「南涯館(なんがいかん)」という名前も、その場所も一般市民に認知されていない状況であったため、当館主催のイベントを実施致しました。
当時のエピソードとしてイベント開会の直前に場所の問い合わせが集中して、開会時刻が大幅に遅れてしまったことや、道に迷ったお客様が当館に着いたときはもう終演間近であったりと・・笑い話にもならないようなこともありました。
これまでも、色々なジャンルのコンサートを始め、寄席・演劇・セミナー・ヨガ教室・英会話教室等々を開催しています。
お陰様でイベントの開催により大勢のお客様にご来場いただき、現在では当館の知名度も上がり場所の問い合わせも殆どございません。
※今まで開催してきた主なイベントの紹介
 □コンサート
  2013年 「古民家で奏でるコンサート」 南涯館オープニングコンサート
  2014年 「古民家で奏でる筑前琵琶の響き」 出演/谷口旭佳・田中欣一
  2015年 「ニューイヤーコンサート2015」 出演/ビエント
  2016年 「津軽三味線LIVEコンサート2016in南涯館」 出演/二代目高橋竹山
  2017年 「お尚とJAZZ仲間たちライブin南涯館」 出演/高見澤宏昌 他
  同年  「えとせとら&因陀羅ジョイントライブin南涯館」出演/山本英利子 他
  2018年 「古民家で弾ける デュアルサマーコンサート」出演/大竹英二、笠原芳子
  2019年 「ヴィオラ・ダ・ガンバ品川聖ソロ・コンサート」出演/品川聖
  同年  「薩摩琵琶の響き 箱崎裕美が弾き綴る・・日本の物語」出演/箱崎裕美
  2020年 「稲葉美和子 ソプラノコンサート2020in南涯館」出演/稲葉美和子 他
 
□寄席・落語
 2013年~2018年まで「古民家寄席」(年2回開催)を開催。
  主な出演者/桂文治、古今亭菊之丞、三遊亭兼好、鈴々舎馬るこ、桂宮治 他
□演劇
 2017年 「古民家で舞う 枕草子の世界」 出演/くるま座
 2019年 「独り芝居 老いのレッスン」 出演/橘博貴
 
□セミナー・講演
 2013年 「古民家と日本人の生活」 講師/降幡廣信先生
 20152016年 古民家教養セミナー開催 講師/田中欣一先生
□その他
 〇英会話教室開講 ※現在も開講中
 〇ヨガ教室開講
 〇生け花展示会、住宅相談会、オカリナ演奏会等々の開催
 
≪当館で実施されたロータリー関係のイベント≫
2013年、国際ロータリー第2600地区・地区大会(ホストクラブ;あづみ野RC)に於いて、米山奨学生懇親会が当館で開催されました。
テーマは「信州の古民家で、日本の生活文化を体感しよう」
  参加者は22名、当館に宿泊し庭園で実施したバーべキューでの懇親会は大いに盛り上がりました。食事等の準備は地域のボランティアの皆さんの協力をいただきました。
 
2014年、松本ロータリークラブの「古民家例会」が開催されました。
 
【大嶋家住宅継承(保存)の課題】
  • 経済的な負担
  •  
  •  
 〇2011年に発生した松本地震による建物被害の修復工事 
 〇2019年シロアリ被害による正門(北門)の建て直し工事
  •  
 〇蔵の屋根補修工事
 〇縁側&トイレ改築工事
  • 後継者へのバトンタッチ
□次男を後継者に指名 
  • 16代目当主への引継ぎ
〇会社の事業承継 
  1. 123日 アステック株式会社社長就任
  • 地震・火災の対策
 〇2011630日、松本地域での地震発生(震度5弱)で被害に遭う。
 
大嶋家住宅の在る松本市笹賀地区は、一級河川奈良井川沿いの段丘地にあり、肥沃な松本平の中央部に位置し松本市街地にも近く、東に美ヶ原高原、西に北アルプス山脈の素晴らしい景観に囲まれた快適な住空間にあります。
広大な肥沃の土地は農耕地として最適な環境にあり、住民の多くは農業を生活の生業として暮らしていて、比較的裕福な生活をしていたようです。
過去には本棟造りの立派な民家が多くあったことが、その暮らしぶりを物語っています。
私の子供の頃の記憶では、広大な田園と大きな屋敷の風景が見られましたが、最近は歴史ある民家の数が減少してきています。
それでは何故、これら信州の生活文化の証となる古民家が失われてきたのか・・
その理由は、以下の3項目に集約されると言えます。
 
≪失われてきた古民家の理由≫
①高齢少子化、核家族化による後継者の不在。
②建物の維持管理費が所有者の大きな負担になる。
③所有者、自治体、地域社会との価値観の温度差による連携不足。
 
上記①・②については【大嶋家住宅継承(保存)の課題】と重複しますので、③について若干の補足説明をしたいと思います。
地域に在る古民家の管理責任は、当然所有者にあります。しかしながら、その維持管理は所有者にとって重い負担となっています。そのため、仕方なく建造物として価値ある民家を解体することとなり、また管理放棄をしたままの空き家の増加に繋がっています。
その地域の貴重な建物に対して、行政と地域の皆さんと所有者が三位一体となってその価値観を共有しながら遺していくための連携づくりが必要であり期待したいと思います。
 
【古民家の価値創造を目指して】
勿論、この大嶋家住宅(南涯館)の維持管理も例外ではありません。
先ほど述べさせて頂きましたが、大きな負担と日々不安との葛藤であります。
しかし一方では、先祖から受け継いできているこの古民家を「後世に遺していきたい」という思いと使命感が強くなってきています。
空き家のまま管理することも、地域の皆さんに利用して頂きながら管理することも・・所有者にとっては同じことです。
それならば、大勢の方々に活用していただくことがこの建物の保存にも繋がっていくことに気づきました。
8年前に、地域のコミュニティーの場として活用を始めてから年々利用者も増えて参りました。(昨年はコロナ禍で殆どのイベントが中止になりましたが・・)
特に、大嶋家住宅の周辺地域に住んでいる方々の来場者が増えてきていることに、コミュニティーの場として浸透してきたと推察できます。
あるコンサートでは、「こんな素晴らしいコンサートが、身近なところで聴くことが出来て有難うございました」という地元住民の声は・・地域にコミュニティー活動が拡がってきている証であると嬉しく思います。
今後は築164年を迎える古民家の価値創造を目指して、建築物の構造的検証と、当時建築に携わった木曽の宮大工・越取直四郎藤原貞義の人物像を研究する所存です。
そしてまた、松本地域にある他の文化財とのネットワークを構築して、有効に活用するための情報の共有化及びイベントの共催等を目指していきたいと思います。
 
大嶋家住宅を後世に遺すことの想いを抱いた〔ひとつのエピソード〕をご紹介します。
 
≪ひとつのエピソード≫
2015年の夏の或る日、この大嶋家住宅の掃除をしていた私のところに、老婦人が息を切らせながら駆け寄ってまいりました。
私は「何事があったのか?」と老婦人の顔を見ると、その瞳には涙が浮かんでいました。
その老婦人は涙ながらに私に話し掛けました。
「私は子供の頃、このすぐ近くで暮らしていました。その後、東京に移り住んで以来、本日に60年振りに松本に戻ってきました。子供の頃の風景が一変している中で、こちらの民家の佇まいが自分の記憶にあるまま残っていて・・感激のあまり涙が出てきました。」
そして「この建物を遺していただいて、本当にありがとうございます。」と、深々と頭を下げるのでした。
 
ご先祖代々により受け継がれてきた古民家の存在が、人々の思い出を繋ぐことのお役に立てたことに感慨深く、満足感を持つことが出来ました。
カタチとして存在している建造物は、壊してしまえばその時点で全てゼロ(無)になってしまいます。もう二度と同じものは造れません。
だからこそ、先祖代々守ってきたこの古民家を何とか遺して、歴史の証と人々の絆を後世に繋いでいきたいと願っています。
是非とも、ロータリアンの皆様の当館へのご来訪をお待ちしています。
以上、卓話を終わらせて頂きます。
有難うございました。