話し方教室③
コミュニティテレビこもろチーフキャスター 後藤理恵様
こもろ女性の家自主講座「話し方教室」③
コミュニティテレビこもろチーフキャスター 後藤理恵
1.前々回のおさらい
・腹式呼吸と胸式呼吸の違い・肺活量の意識の練習
・調音(長音)と短音の練習
・聞き取りやすい声の高さを探そう
・滑舌の練習
2.前回のおさらい
・明るい印象の話し方を身につける(口角がポイント)
・良い笑顔をつくるトレーニング
・声の使い方
・印象に残る自己紹介
3.朗読で伝える話し方を身につける
この「朗読」は、ただの「音読」ではありません。
ただ書かれた文章を読む音読ではなく、伝えて感動させるために様々な色、音を付けていくのが「朗読」です。
このテクニックを、抑揚のついた「話し方」に応用していくことができます。
原稿に書いてある言葉に集中して正確に発音し続けるのが「音読」。
これだと、話す相手にベクトルが向いていきません。
「朗読」は相手に自分の言葉を届けることを目的としています。
朗読こそが「相手の心を動かす話し方」につながります。
朗読のトレーニングは「会話」の上達にもつながります。
朗読のテクニックが身に着くと「声色」をつけていく作業が楽しくなります。
【朗読トレーニング】
① 黙読→②音読→③朗読
まずは黙読で内容を理解。
音読ではどう読むか朗読のプランを練る。
そして朗読でそれを実行していきます。
→この努力が、抑揚のある「伝わる話し方」「心に響く話し方」につながります。
① 黙読して文章の意味を理解
全体の意味を理解するには声を出さないことも大事。
② 内容を理解できたら音読
声に出して読みながら、ボールペンを片手に強調したい単語やセンテンスに記しをつけていく。
どうすれば伝わるのかプランを書き込んでいく。
全てテンション高く力を入れて話したら聞き手は理解できない。
最も重要な部分を見極めて、その内容を確実に相手に届ける。
強調したい部分は□や○で囲む。
(私たちアナウンサーも仕事で行っています)
どこが重要なのかどこを強く伝えたいかを考えて行くと、より深く文章を理解できる。
③ 最後に朗読
練習をする際にはだれかに聴いてもらう。
録音する。これで劇的によくなる。
一度自分で練習する→発表へ。
抑揚をつけるためのテクニック
① 高めの声を出す
普段の会話で気づかないうちに使っている。高い声は強いエネルギーを持っているので言葉を際立たせる効果がある。
手のフリをつけるとやりやすくなる。手を軽く上げたり前に出してみたりするなどやりやすい形でいいので試してほしい。
② 前後に比べて少しゆっくりと話す
強調したい部分をゆっくりと念を押すように発音する。
聞き手は重要だと認識して耳を傾けてくれる。
どのくらい強調したいかによってゆっくり度を変えてもいい。
③ 直前に軽く間をとる
聞き手は話の途中で沈黙があると注意を引かれる。
少しだけ注意を引きたいならば、ほんの少しの間を言葉の前にとる。
それが次に来る言葉への期待感を高める。
④ 強く発音する
音量を上げることで抑揚がつく。
どの程度大きくするのかを内容に応じて調整する
⑤ 声色を付ける
ポジティブな言葉は明るく、ネガティブな言葉は抑え気味に。などニュアンスをつけてみる。
話し手の個性や人間味が出てくるもの。
4.コミュニケーションの基本
‶感謝と真心〟
シンプルだけれども忘れてはいけないコミュニケーションの基本です。
相手とコミュニケーションをとる時、「嫌な感じ」では、全てはうまくいきません。
この「感謝と真心」を忘れずにいる、「謙虚」な気持ちでいることで、相手とのコミュニケーションは必然的にうまく運んでいきます。
人前で話すときもこの気持ちを忘れないようにしましょう。この気持ちが人に良い印象を与えてくれます。
‶相槌の打ち方〟
相槌の打ち方ひとつとっても人に与える印象はだいぶ変わってきます。
たとえば、「そうですか」という言葉一つとっても、「そうですか」と語尾を強く言ってしまうと、相手はそこで目の前のドアを閉められてしまったような感じを覚えてしまいます。
また、相槌を打ちすぎて相手に話をさせないような威圧感を与えてしまう場合もあります。
相槌を打つ時に、あえて声に出さないようにするということも一つあります。
相手の話を聞こうという姿勢はもちろん大切ですが、声は出さなくても、相手の目を見たりうなずいたりすることでそれは十分伝わります。
‶目を見て話をする〟
話をするときは、必ず相手の目を見ましょう。
大切なことは、「私はあなたの話を聞いていますよ」「あなたに話していますよ」ということを目線で伝えてあげることです。
相手の同意を得ることで、共感を得やすくなります。相手の立場や気持ちを常に考え、聞く耳になって話すことがとても大切です。
大勢の人の前で話すときは「語りかける相手」を見つけましょう。