「I Serveの実践」
クラブアドバイザー・RID2600パストがバナー 古川静男様
「I serveの実践」
古 川 静 男
9月の話になりますが、仕事の関係で、2週連続して慌ただしい週末を過ごしていました。
最初は、9月の連休中でのこと。9月17日(金)の夜10時過ぎに、私が後見人としてお世話をしている人の母親が死亡したとの連絡を受け、18日(土)は朝から親戚の方と打ち合わせをしながら、葬儀社と菩提寺等に連絡して葬儀の段取りを行っていました。19日(日)も午前中に打ち合わせを行い、午後は、ロータリー2600地区の「次期ガバナー補佐研修セミナー」のため、3時間余りZOOMでの研修に参加しました。20日(日)はやっとゆっくり出来たので、爽やかな秋晴れの中、松本空港周辺10キロのランニングコースを自転車で3周余り走り回りました。
続く時には続くもので、9月25日(土)には私が後見人をしている人が亡くなりました。90歳を超えていて、物が食べられなくなっていたので、覚悟はしていましたが、今回も同じように葬儀社、親族、菩提寺等と連絡を取り、葬儀の段取りをしました。二週連続での葬儀となってしまいましたが、成年後見人の仕事を始めてからは、年に4~5回は葬儀を行うことになり、携帯電話は片時も離せない状況です。本来後見人は葬儀の対応までする必要はないのですが、困っている親族を見ていると、ついお手伝いをしてしまいます。
成年後見人とは、家庭裁判所から選任されて、認知症高齢者や知的障害者・精神障害者の財産管理や身上監護を行う人のことですが、私の事務所では現在40人の方を世話しています。本来であれば親族が後見人として対応するところですが、身内がいないとか、近くに親族がいない等の高齢者や障害者が年々増えていて、我々資格者が対応しています。
私は「司法書士」の資格を取得して業務を行っていますが、司法書士のように国家資格を取得して仕事をしている者には、「プロボノ」という公益活動を行うように指導されています。国が資格を与えるということは、その業務に関しては独占的に行うことを許可しているのであるから、社会貢献活動を行う必要がある、ということです。
「プロボノ」とは、ラテン語の「pro bono publico(公共の利益のために)」が語源で、アメリカでは「一定の職責をもつ専門家(法律家・医師・宗教家)が公共の利益のために無料奉仕ないし低廉な費用でサービスを提供すること」とされ、一般化しています。司法書士もプロボノ活動として、無料法律相談や生活保護申請同行、多重債務者の救済活動、など、様々な社会活動をしています。ロータリーの世界でいえば、まさに職業奉仕活動ということになるのでしょうか。成年後見業務もある面では職業奉仕活動の一環のようなところがあります。
私のもう一つの奉仕活動として、平成16年から家事調停委員を行っています。調停委員は国家公務員としての地位を与えられていて、定年が70歳となっています。ガバナーエレクトとガバナー時代の2年間は休ませて頂きましたが、現在は、月に6件ぐらいの調停事件を担当しています。家事調停事件は、遺産分割調停や離婚調停が主になっていますが、調停では、過去の付き合い方から起因する様々な心模様が見られ、調停を進める中で、両当事者の心の接点を求めて常に悩み考えさせられる場面に出くわしています。
冒頭に成年後見の話をしましたが、後見に関係して、平成23年から中信地域の2市5村(松本市・安曇野市・麻績村・筑北村・生坂村・山形村・朝日村)で運営している成年後見支援センターでも運営委員長として、福祉現場での困難案件を解決するために毎月検討会を実施しています。
皆さんも、日々の生活の中で、それぞれ違った形での「奉仕活動」を行っているかと思います。意識して行っているのか、結果的にそれが奉仕活動と呼ぶのか、あまり意識していないことも多いかもしれません。
「奉仕活動」はロータリーだけではなく、様々な形で社会活動の中で行われているものです。日々の暮らしの中で「世のため人のため」と思える行動があれは、無意識での奉仕活動をしていることになります。
改めて、日々の生活の中で、「奉仕活動」というものを考えてみてください。
「I serve」を実践する機会は、意外と身近なところに沢山あるものではないでしょうか。皆さんの「I serve」を見つけてください。