話し方教室①
コミュニティテレビこもろチーフキャスター 後藤理恵様
こもろ女性の家自主講座「話し方教室」①令和2年9月14日
コミュニティテレビこもろチーフキャスター 後藤理恵
講師プロフィール
後藤理恵
山形県山形市出身
東洋英和女学院大学卒業後 1999年4月 株式会社コミュニティテレビこもろ入社
キャスターとしてCTKNEWS&WIDEのニュースMCやリポーター、情報番組等のMC、夏祭り、選挙特番の生放送番組の進行等多数の番組を担当。
キャスター業務のほか、記者・ディレクター業務も兼務。
ニュース取材の他、特別番組やドキュメンタリー番組の企画・構成・ナレーションも手掛ける。
現在は報道制作部長として後進の指導や、番組制作スタッフの日程の管理等にあたる他、ニュースを始め、「市長の部屋」「県政番組」「小諸ふるさと遺産めぐり」等の企画番組のMC、リポーター、ディレクターも担当している。
各種団体などから依頼を受け「話し方教室」の講師も10年ほど前から務めている。
話し方教室の意義
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると「初めて会った人の第一印象は最初の3~5秒で決まる」と言われているそうです。
また、初対面の人物を認識する割合は
「話す言葉の内容」→7%
「見た目・身だしなみ・しぐさ・表情」→55%
「声の質(高低)・大きさ・テンポなどの話し方」→38%
とされています。
つまり、話の内容をいくら磨いても、見た目や話し方が印象に残るわけですから、第一印象をよくすることはもちろん、洗練された話し方を身につけることが大切であると言えますね。
みなさんは自分の「話し方」は好きですか?
仕事の場でもプライベートでも、「上手に話ができない」「自分の声が嫌い」「滑舌が悪い、早口といわれる」「人前で話したり会話を盛り上げるのが苦手」などの悩みを持つ人は大勢いると言われています。
ほぼ100%の人が、声や話し方にまつわる何らかの悩みを持っているといっても過言ではありません。
ただ、少しずつでも簡単なコツを実践するだけで、声も話し方も劇的に変わることができます。
なかなか普段生活していて、「話し方」について意識することはありません。
でも人と話すということは、生活していくうえでは欠かせないものです。コミュニケーションの一番の基本でもあります。
声と話し方でその人の第一印象は決まってしまいます。
声が変われば、印象も全く変わります!
大勢のみなさんの前で話すためだけでなく、仕事の会話、日常会話も、ちょっとしたコツで簡単に話し上手になれるんです。
実は‶声を整える〟ということは上手な話し方の基本中の基本になります。
良い発声法、心地よい声、滑舌の良い声。それだけで、人に信頼感も与えることができます。
同じ言葉を使う場合でも声が違うだけで、聞き取りづらかったり、逆に聞き取りやすくなったりします。
どんなに素晴らしい内容でも、肝心の「声」がイマイチだと相手には伝わりません。
肺にたっぷり空気を入れてたっぷり吐き出すことができないと、良い声は出ません。そのためには「腹式呼吸」が必要です。
腹式呼吸で話すと声がとてもエネルギッシュになって、それが聞き心地の良さにつながり、相手に安心感のようなものを与えることができます。
これはアナウンサーや俳優さんなど限られた人たちだけが身につけていればいいというものではありません。
「心に響く声」を生み出すために、腹式呼吸を身につけていきましょう。
腹式呼吸を取り入れて自分の声を作っていきましょう。
☆腹式呼吸と胸式呼吸の違い・肺活量の意識の練習
①しっかりと立つ
②肩幅に足を開く
この時、首と肩の力は抜いて、上半身をリラックス。
片手をおなかに添えて、腹筋に意識を集中させてください。
③お腹に手をあてる(どちらの手でも OK)
→これは、お腹の筋肉が使えているかのチェックのため。
④まず、しっかりしっかり息を吐く。これでもかってくらい吐く
もう無理、の向こうまで吐く
口からふーっと息を吐きながらおなかをゆっくりと凹ませていきます。
息を吐ききって、腹筋をぎりぎりまで縮めます。
(これが息を出し切った状態。お腹がどうなっているか確認する)
⑤次に、思いっきり吸う!!(鼻で吸うのがおすすめ)
ここで注意!肩が上がるような吸い方はだめ!
肩が上がらないように息を吸いましょう。
(お腹をぷぅ~っと膨らますイメージで)
→肩があがったら、胸式呼吸
→目指すは「腹式呼吸」です。
⑥思い切り吸って吸って吸って・・・その先にあるのが、
本当の肺活量です!
普段の呼吸がどれだけ浅いところでやっているか、ということに気づくのが
最初の一歩です。
(およそ2倍は違うといわれています)
① →⑥を繰り返してください。
慣れてきたら今度は⑥→④息を吸うところから始めてみましょう。
腹式呼吸 おススメの理由♪
腹式呼吸を身につけると…
‶のどもかれません〟
‶自律神経を整える効果もあります〟
実は腹式呼吸は人前で話すときの緊張をほぐすこともできるんです。
自律神経には交感神経と副交感神経があって、緊張すると交感神経が優位になり、リラックスすると副交感神経が優位になります。
この副交感神経を優位にするために有効なのが腹式呼吸だと科学的にも立証されているんです。
緊張するような場面では何も考えず腹式呼吸をしてみて欲しい。きっと絶大な効果があると思います。
また、腹式は体幹が安定するので上体が揺るがず落ち着いた雰囲気にも見えるようになります。
これを習慣化してしまうとこれほど発声に適した呼吸はありません!!
仰向けに寝たり、眠ったりしているときには、誰もが無意識に腹式呼吸をしています。
特別な呼吸法ではないので誰もが必ずできるはず。うまくできない場合は、壁に背中をくっつけて練習してみましょう。もしくは仰向けになって、寝っ転がって練習してみてください。背中が固定されてお腹に意識を持っていきやすくなります。
腹式呼吸を体に覚えこませるためには練習回数は多いほうがいいでしょう。
毎朝5分だけなど、自分が続けやすいスタイルを見つけてください。
☆調音(長音)の練習
①まず、とにかく吐き切るところまで息を吐く
②そして思い切り吸う(お腹を意識して)
③その吸った息に声を乗せて「あ」の口にする。(鏡でチェックしましょう)
→「あ」の口は、前歯が見えるくらい縦にあけること
(口の形をしっかり整えること。それを口に覚えさせること。)
※口の形が音にダイレクトに響きます。唇の形がブレれば音もブレます。
※滑舌が悪いと言われたことがある人は、口の形が固定できていないことが多いです。
→声の出し始めがポイント!
しっかりはじめから、山を越えるくらいの声でどーんと、出すこと。
④とりあえずの目標は15秒。→20秒→25秒と、できる時間を増やしていきましょう。
☆短音の練習
①思い切り吐く→思い切り吸う
②口の形を瞬時に整えて、短く「あ!」と短く切ってみる。
→「あぁ」とかにならないように。
「お腹を意識!肩が上がっていないかチェック!とにかく腹筋を意識!」
お腹がぐっと凹む感じ。押し込む感じ。一気に緊張させる。
鏡の前でやってみましょう。
※きちんと切れる明瞭な音作りができないと、繋げたときに(文章として)
聞き取りにくいものになります。
すべての音がクリアで、明瞭なものになることを目指しましょう!
もう一度注意ポイントを確認!
・疲れてきても口の形をくずさない。(→これにより音がクリアになる)
・疲れてきてもお腹がべこっと凹むくらいぐっと力を入れる。
(→しっかり音が切れる)
☆聞き取りやすい声の高さを探す
●まずは人差し指と中指をそろえて、鼻先に軽く触れてみてください。
●口を閉じたままで「ムー」とハミングしてみてください。
※様々な高さの音で試していると、鼻先に置いた指が細かく振動する音がわかるはず。
●この振動が「共鳴」と言います。高い、低いで言えば、中くらいです。
●普段より少し高く感じるかもしれませんが、これこそがあなたにぴったり!
人が聞き取りやすい高さになります。
※この高さは明るくハリが感じられて、会議や打ち合わせなどで話すときにも最適な音になります。ぜひ意識をしましょう。
☆滑舌の練習
①まず唇のまわりを柔軟にします。
パパパパパパパパパパ
ママママママママママ
タタタタタタタタタタ
カカカカカカカカカカ
ララララララララララ
・頬の筋肉を上下させながらマッサージを。
※冬場の感想するときはリップクリームを塗ると話しやすくなります。
・口の開け方を意識してしっかり開けましょう。
極端に口を動かすと、顔の筋肉が鍛えられて、普段の会話でも楽に口を動かすことができます。
② お腹に手を当てて「アエイウエオアオ」
③ カウント腹筋(1~10までカウント×3セット)
これらを行うと体がぽかぽか温かくなります。
腹式呼吸をすることで結果的に代謝が上がるので健康体になります。
・腹式と滑舌のトレーニングが一度にできるので、どちらも身につけることができます。
・自然と滑舌がよく、おなかからのきれいな声も生まれてくるので、気分転換に続けてください。
ポイント♪
人と接する際、何かを伝えたい時、きれいな発音や発声を身に着けていれば、それだけでも、人に与える印象は変わってきます。
声に張りが出ると明るさも加わります。
明るくて声に張りがある人はそれだけでハツラツとした印象を与えます。