広島平和研修のご報告
松本国際高等学校 インターアクトクラブ顧問 前原直美 様
この度の本校独自研修である広島平和研修に際し、多大な援助をいただきありがとうございました。1月11日から二泊三日の行程で、高校2年の生徒8名とわたくしで行ってまいりました。
広島研修を考えたのは昨年、インターアクト部が少しずつ活動を始めた夏ごろです。独自研修について全く知らなかったため、出遅れており研修に至りませんでした。また、生徒たちが広島の原爆投下についてほとんど知らない、または関心がない様子が見られたためです。
同じ日本でありながら、長野県は広島から離れています。また、若い世代にとっては先の戦争は身近な話題ではなく、歴史の授業でも最近ではあまり触れていない様子でした。当然のことですが毎年行われる平和式典や終戦記念日の特集には、関心がありません。インターネットでの情報は浅く、他人事のようにとらえがちでした。
そこで、今回の広島研修を実行することに至りました。12月のロータリーの集まりでお隣になった伊那食品の前社長 井上氏に広島の終戦後から復興したお話を伺いたいので、どなたかご紹介いただきたいとご相談しところ、すぐに岡山営業所の所長 境澤氏を通してもみじ饅頭で有名なにしき堂の大谷氏とお会いすることが年末に決まりました。生徒からの質問をまとめ、年明けにお送りしました。
初めての新幹線に生徒たちはうきうきと遠足気分でした。広島に入り、その規模に圧倒されました。高層ビルが立ち並び、路面電車やバスが行き交い、多くの人が駅にあふれていました。外国人観光客も多くみられました。チェックイン後、路面電車に乗り原爆ドームへ向かいました。その時の生徒たちの表情は忘れることはできません。言葉もなく立ち尽くし、ドームの焼け跡を瞬きもせず見入っていました。恐怖や驚き、悲しみがドームからはオーラのように伝わりました。その後祈念館を訪れ、若い訓練生の体験をビデオで鑑賞しました。誰一人言葉を発せない様子でした。広島焼のお店は、終戦後のバラックから先々代が商売を始めたそうです。原爆を生き抜いた一般市民の力強い復興への意志は、平和な時代に生まれ育った若者には驚きでした。
二日目は朝の記念公園を歩き、原爆資料館を訪れました。その日もスタートは原爆ドームで、生徒たちはしばらく無言のまま説明のプレートを読んでいました。資料館では本館の見学だけでなく、語り部の伝承者からお話を伺いました。数万人と言われる犠牲者の生きていた証を見聞きして、涙を流す生徒や心がいっぱいになりベンチで座り込む生徒もいました。伝承者のお話は一人の女性の生涯を伺い、原爆の恐ろしさと広島の人々の無念を感じ取りました。にしき堂では伊那食品の境澤氏が同行してくださり、終戦後に立ち上げた店のこと、広島の人たちの受けたつらい差別のこと、にしき堂のモットーを大谷氏が時にユーモアを交えてお話ししてくださいました。鏡開きのお汁粉は、多くのショッキングな写真や話を見学した私たちには優しくしみいるおいしいものでした。

最終日は世界遺産の宮島へ行きました。天気も良く、海を見慣れない生徒や海を初めて見た生徒は大喜びでした。日本の美しさ神々しさを発見でき、研修の最後を締めくくるのに大変良い思い出となりました。
