「ガバナーパートナーを経験して」
信州友愛ロータリークラブ 会員 古川 幸枝様
ガバナーパートナーを経験して
信州友愛ロータリークラブ 古川 幸枝
私は、松本市と長野市の中間にある山奥の小さな村(現・筑北村)で生まれました。
高校を卒業して松本市で働いているときに、司法書士を開業したばかりの夫と出会い、1981年に結婚しました。以来、経理の仕事をして夫の事務所を手伝っています。夫は、33歳の時に知人に誘われて松本西南ロータリークラブに入会しました。ご承知のようにRCは配偶者も一緒に行動することが多く、最初は馴染めなくて、いやいや参加していました。それが、30年過ぎて夫がガバナーを拝命し、私も日本各地や外国まで一緒に行動することになるとは…あの頃の事を考えると不思議な思いです。
ガバナーノミニーからエレクト、そして本番の「2019‐2020年度ガバナー」のパートナーとして、夫について歩き、体験させてもらった3年間のことを振り返ってみたいと思います
●2017年11月、東京でのロータリー研究会でノミニー研修セミナーがあり、全国34地区のノミニーとそのパートナーに初めてお会いしました。ノミニー仲間は、年上の大先輩ばかりかと心配していたのですが、同年代や年下の人も多く、少し安心したことを覚えています。
エレクトになる直前の6月にはカナダのトロントでの国際大会に出席しました。ノミニー仲間とは2回だけの顔合わせでしたが、この2回で大分距離が縮まった気がしました。
●2018年7月、エレクト年度開始です。パートナーにとって、エレクト時代の一大イベントは、翌年(’19年)1月にサンディエゴで開催される国際協議会に出席することです。
国際協議会とは、
『全世界の地区ガバナーエレクトにロータリー教育を行い、運営上の任務を指導し、鼓舞激励し、さらに次年度のロータリープログラムや活動の実施方法を討議・計画する機会を与える。これを通過することによって地区ガバナーとしての自覚と誇りを十分に持てるように仕組んである場である』と、「ロータリー入門書」に書かれています。さらに『パートナーを対象とした研修・イベントもある』とも書かれています。
その国際協議会への参加に向けて、9月と11月にGETS(ガバナーズ・エレクト・トレーニングセミナー)という研修会がありました。2回とも、3日間のハードスケジュールで、みっちり研修を受けました。
サンディエゴでの約一週間は、毎日のスケジュールがしっかり決められており、昼間の会議中は、夫たちとパートナーは別々の行動で組まれていました。
国際協議会では、各国がブースを設けて、自国文化を紹介する「文化交流会」で日本の文化を紹介するので、そのためのグッズを準備する事や、「グランドマーチ」と言って、国際晩餐会の時に自国の民族衣装を着て行う入場行進をするので、その準備や打合せをすることもGETSでのパートナーの大事な研修でした。でもGETSの2回だけの打合せでは不安だったので、私達はスマホのLINEを全員でつなぎ、連絡網を密にして本番に臨みました。
サンディエゴでの体験は、大変でしたが、本当に素晴らしいものでした。
世界200以上の国と地域から、役員も含めて約1200人もの人が参加します。その参加者全員が集まって行う本会議をはじめ、パートナーだけのセッション・円卓討論。グッズや花嫁衣裳の打掛を展示して紹介した文化交流会。交流会の会場にはIR会長エレクト夫妻も来てくださり、奥様には打掛を羽織ってもらい写真撮影もしました。また、日本から持参した折り紙や筆文字を書いた色紙・手ぬぐい等も一緒に展示して、会場に来た世界中の人達に配りました。 そして、パートナーのほぼ全員が着物を着て参加した晩餐会のグランドマーチ。日本人の着物姿は他の国の人達の注目の的でした。記念写真をいっぱいせがまれました。
こうして、一週間の非常に過密なスケジュールをこなし、最後にホテルから飛行場に向かうバスの中では、みんなで大きなプロジェクトを成功させたという、充実感と連帯感、高揚感を味わうことができました。
ただ、夫たちは違っていました。日本に帰って、国際協議会の報告や、来たる自分のガバナー年度の準備のことを考え、必死だったと思います。帰りの飛行機の中の方が緊張気味の顔付きをしていました。
●2019年7月、本番のガバナー年度が始まると、夫は2600地区内の54ヶ所全てのクラブを訪問しながら、10月の地区大会に向けて毎日打合せをしておりました。その合間に司法書士の仕事もしていましたので、時にはパニックになりながら毎日を過ごしておりました。
私は、夫の健康管理に気を配ることしか出来ませんでした。
そうして、たくさんの人々の協力とご尽力を頂き、2600地区の地区大会が無事に終了しました。
気持ちが大分楽になった私達は、その後、他地区の地区大会に出来るだけ出席し、沢山の思い出を作る事が出来ました。沖縄では、元RI理事の千玄室様の素晴らしい講演を聞いたこと。金沢では本物のお座敷遊びを体験させてもらったこと…。
神奈川の地区大会では、びっくりすることがありました。25年くらい前に、私達の自宅に取材で訪れた、長野県内のテレビ局のアナウンサーが、神奈川地区のガバナーノミニー夫人として参加していたのです。これもロータリーに入っていなければあり得ない再会でした。
しかし3月以降、新型コロナウイルスの広がりにより地区大会は全て中止になってしまいました。
何とも中途半端に終わったガバナー年度でしたが、ガバナー同士、パートナー同士の繋がりは、非常に強いものになりました。
パートナー達は、今でも毎日ラインで情報交換をしています。
この経験を通して感じたことは、やはり人との繋がり、ご縁の尊さです。夫がガバナーをした事により、私も地区内はもとより、日本中の多くのロータリー関係者と知り合いになれました。そして深い絆で結ばれました。ご縁がご縁を呼んで、更に知り合いが増え、そして信州友愛RCのメンバーになり、ロータリアンとして活動することになりました!
振り返ってみれば、ロータリーとの関りはとても長いのですが、ロータリーの精神は、このガバナー年度の時に、やっと芽生えた気がしております。
微力ではありますが、この経験を信州友愛RCで活かせていければと思っています。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。