「台湾の総統選挙」
信州友愛ロータリークラブの会員の皆さん、こんにちは。
1/13に台湾で政治のリーダーを選ぶ「総統選挙」がありました。民主進歩党(民進党)の候補、賴清徳氏が当選しました。現在の蔡英文総統が2期8年の任期であったため、3期連続の民進党政権となります。
私たちが学校で習った知識によれば、国民党は孫文が中国本土で立ち上げた政党で(中国国民党というのが正式名称だそうです)、中華民国として中国を統治していましたが、共産党との内戦に敗れ、台湾に逃げてきた、ということかと思います。
総統選挙が行われるようになって以後、長らく2大政党による総統選挙が行われてきましたが、今回は台湾民衆党(民衆党)も総裁候補を出馬させ、3候補による選挙戦となりました。
民衆党候補の柯文哲氏も、泡沫候補ではなく善戦しました。柯候補の獲得した票は369万余りと1/4以上の票を集めました。
ご存じかと思いますが、民進党は「台湾独立」を目指す政党です。一方の国民党は台湾と中国の統一を謳ってきましたが、そもそもの統一という理念より、経済的な理由で本土とのつながりを重視するようになってきました。
民衆党は台湾独立か中国との統一かの理念は曖昧ですが、経済的に中国本土との反目には積極的ではなさそうです。
私たちは、民主的な活動を約束されたはずの香港がどのようになったか目の当たりにしてきました。今カナダやアメリカ、台湾に香港の移民が多数流れ込んでいます。そうした中、台湾の総統選挙は実施されました。どの候補者が当選するのか、世界の耳目が集中しました。
民進党は蔡英文総統の時代から防衛力を強化してきました。米国から兵器を買い、潜水艦の造船にも着手しました。中華人民共和国政府が快く思わないのは当然で、硬軟織り交ぜて、さまざまな圧力を加えてきましたが、少なくとも総裁選挙では結果が出ませんでした。
日本の国会に当たる立法院選挙では、民進党は過半数を獲得できず、第一党とはなったものの、政権運営には難しい舵取りが迫られます。中国共産党としては、こうした「政権のねじれ」を利用してくるでしょう。
台湾市民がどのような総裁を選ぶかは、そもそも台湾市民の選択によるのは当然のことですが、日本国民である私たちは、無関心ではいられない問題だと思います。
今回の総統選挙の投票率は71.86%だそうです。日本で今、内閣総理大臣を選ぶ選挙が行われたとして7割を超える投票率になるかは怪しいものですが、台湾の人々にとっては、重要な関心事であることは間違いないと思います。私たち日本人も隣国が「民主的国家」なのかそうではないかは重要な問題である筈です。
軍事力によらない「外国」による二国間問題の解決が重要なことは当然なのですが、私たちの隣人は「朝鮮民主主義人民共和国」と「中華人民共和国」など「民主主義」や「法治国家」とは程遠い国もあります。隣人としても友好的かと言えばそうは言えない
でしょう。
台湾は日本にとって友好的な隣人です。国家として認めることはできなくても、大切な存在だと私は思います。
皆さんはどのように考えますか?