「人間と人間以外の命の境界線」
信州友愛ロータリークラブの会員の皆さん、明けましておめでとうございます。私の会長年度も後半戦に入りますが、あと半年、よろしくお願いいたします。
2024年も穏やかに始まったと思っていた矢先、元旦の16時過ぎに能登半島地震がありました。長野県内も北部では一時的に停電や断水も発生しました。
1/7現在、お亡くなりになった方は120人を超えました。中には年末年始で帰省されていた方もおられたと思います。心からご冥福をお祈りするとともにご家族の皆さまにお悔やみ申しあげます。ロータリーでも寄付などの支援の動きがあると思いますので、その際にはご協力の程、よろしくお願いいたします。
さて、令和6年は多難な1年になると思い知らされた翌日、今度は信じられないような事故が起こりました。羽田空港での日本航空機と海上保安庁の飛行機の接触事故です。18時ちょうどにNHKを見ていたときは、羽田空港で火災が発生した模様、と伝えていました。
この際に映し出されていたのは、おそらく海上保安庁の飛行機の方だったように思います。カメラが日航機を捉えた時は、まだ飛行機内から炎のようなものが見えたくらいでしたが、あっという間に燃え広がり、最後は露出した骨組みが熱で崩れ落ちるところまで放送されました。この時点で乗客乗員がどうなっているのか不明で、大変心配されましたが、最終的には乗客乗員は無事に避難できたことが判りました。一方で海上保安庁の6人の乗員のうち、5人の命が失われたことも判明しました。
後日この事故で日航機の乗員乗客全員が無事に避難できたことに海外から賞賛の報道が相次ぎました。ただ、人間の救出が成功した反面、貨物室に預けられていたペット2匹が犠牲になったことについて、主にSNSで批判的な意見がアップされ、その意見に対する反応が2分されました。「ペットに対する扱いがひどい」「ペットも人間同様客室に乗せるべき」というものと「人命最優先は当然」「人間とペットの扱いは別。客室に乗せるべきでははい」というものです。
さまざまな意見があって当然ではありますが、私は人命が最優先されるべきであると思います。
我が家にはネコが2匹います。オスの双子で東日本大震災の年の夏、安曇野市の畑で鳴いているのを見つけ、3匹のうち、メスの1匹を引き取ってもらい、残りの2匹を飼うことにしました。今年の7月で13歳になります。子どもがいない私ども夫婦にとっては子ども同然で、彼らの生命や健康、安心して寝られる環境など、有形無形の責任を私たちは負っています。今回の地震ではカミさんが、「揺れがきたときにテレビと本棚を手で押さえに行って、後方にネコがいないかどうか確認した」と語っています(一家の大黒柱で
あるべき私は、ヒゲを剃っている最中で役に立たず)。
同じような地震が我が家を襲ったら、私とカミさんだけではなく、ペットともども逃げ出す方策を考えるのは当たり前のことです。
しかし、一旦第3者の協力を得ないといけなくなったとき、果たして「大切なペットがまだ中にいるから、危険なのは判るけど、なんとかしてくれ」と言えるでしょうか?
「人命が大事」なのは、普遍的な価値観(であるべき)ですが、「ペットを人命と同列に考えるべき」かどうかは、かなり議論の余地があるように私には思えます。それが容認できないのならば、そもそも飛行機にペットを預けるべきではない、他の手段を考えたら?と私は思います。
皆さんはどのように考えますか?