ロータリー財団について
信州友愛ロータリークラブ 会長 金児 進
ロータリー財団について
信州友愛ロータリークラブ会長 金児 進
ロータリー財団は、「世界で良いことをするための基金を作るのが極めて適切であると思われます」とアトランタ(米国ジョージア州)ロータリー年次大会(1917年6月)の大会でアーチCクランフ会長が演説をして現在のロータリー財団の種となる基金の設置を提案しました。
基金への初めての寄付は、カンザスシティ・ロータリークラブ(米国ミズリー州)から$26.5でした。
その後1928年のミネアポリス(米国ミネソタ州)国際大会で「ロータリー財団」と正式に命名されました。
ロータリー創設者ポール・ハリスの逝去後「追悼は献花ではなく財団への寄付」というハリスの遺志が電報でロータリアンに伝えられました。
そして「ポール・ハリス・フェロー」認証プログラムがスタートしていきました。
(最初のポールハリスフェローメダル)
ポール・ハリス・フェローとは
財団で初の寄付者認証プログラム。1,000ドル以上を寄付した人に「ポール・ハリス・フェロー」の称号が授与され、後年、複数のレベルが設けられました。寄付者が指定したほかの人にポール・ハリス・フェローの称号を贈ることもできます。ポール・ハリス・フェローの数は、2006年に100万人に達しました。寄付者にはその感謝の証しとして称号を与えられました。
こうして財団への寄付と共に地区への組みあわせプログラムもスタート(マッチング・グラント)しクラブと地区のプログラムに補助金を提供する財団初の常設プログラムが設置されました。
また、ロータリーがフィリピンで600万人の児童へポリオ予防接種活動を開始し、ロータリーの目標として「予防接種を通じてポリオを撲滅する」が掲げられました。そのひとつとして恒久基金(特定の寄付を投資し、元金には手をつけずにその収益のみを財団の活動に活用することを目的とした基金。)を設立しました。
さらに、「ロータリー平和センター」(平和と紛争予防・紛争解決の分野で活躍できるリーダーを育成することを目的としたプログラム)を設立しました。
毎年、100名までのロータリー平和フェローが選ばれ、6つのセンターにおける修士号取得プログラムか専門能力修了証取得プログラムのいずれかで学びます。第1期フェローは、2002年秋に学業を開始しました。
財団は国際ロータリーの一部機関ではなく、独立した組織です。財団にプールされた基金は各国のクラブの補助金や国際的なグローバル補助金などとして還元されるだけでなく、教育プログラム、医療支援プログラム、ポリオ撲滅プログラムに分類されてています。
年次寄付(Annual Giving)
ロータリー財団には、国際親善奨学生の派遣と受け入れ、GSEチームの派遣と受け入れ、クラブの社会奉仕や国際奉仕プロジェクトに対する補助金など、各クラブのクラブ活動を側面から支援し、活性化する素晴らしいプログラムが数多くあります。各クラブによるこれらの活動プログラムの実施は、各ロータリアンの財団に対する毎年の寄付金があって初めて可能になります。
各クラブはクラブリーダーが毎年変わって行きます。しかし奉仕活動は毎年新たに実施しなければなりません。財団はクラブとロータリアンの各年度の活動プログラムを支援するため、EREY$100(Every Rotarian, Every Year $100)「各ロータリアンが毎年100ドル以上の寄付を」という標語を掲げ、各会員の継続的な財団への寄付を呼び掛けています。
PHF(ポール・ハリス・フェロー 累計1,000ドルの年次寄付)を達成した人は、財団に対するそれ以上の寄付は必要ないと考えている会員がなかにはありますが、各クラブは毎年何らかの財団活動プログラムを利用し、クラブ活動に役立てているわけですから、財団への継続的な寄付の協力が、Every Rotarian, Every Yearというかたちで要請されているのです。そのため、当地区では、ガバナーが毎年財団への寄付金額、例えば「本年度は1人あたり13,000円以上」というような目標金額を掲げ、各会員へ協力を要請します。
財団へ集まった年次寄付の使用については、シェア・システムが適用され、3年間の留保後に地区の年次寄付と恒久基金の投資収益の合計の50%が地区に還元され、残り50%が財団本部に留保さ
れます。地区に還元された「地区財団活動資金」DDF(District Designated Fund)は各地区の裁量で、国際親善奨学金や各クラブの社会奉仕や国際奉仕プロジェクトなどの補助金として配分し、それぞれの用途に使用します。財団本部に残される寄付金は国際財団活動資金WF(World Fund)と呼ばれ、GSEチームの派遣や受け入れの費用、その他のR財団関連の奉仕プログラム目的に使用されます。
恒久基金PF(Permanent Fund)
寄付金の元金は永久に貯蓄され、運用益だけが財団プログラムを遂行するために使用されます。
年次寄附と恒久基金寄付はともに重要であり、両方で財団の活動プログラム全体を運営する資金として活用されています。年次寄付は今日の財団プログラムを支え、恒久基金は将来の財団プログラムを更に安定したのもにします。ベネファクター(Benefactor)は恒久基金に1,000ドルを寄付した者に与えられる称号です。毎年ガバナーは各クラブから何名かのベネファクターを出すように協力を要請しております。
使途指定寄付(Restricted Giving)
あらかじめ、使い道を決めて行う寄付で、ポリオ・プラスプログラムの「ポリオ撲滅の2億ドルチャレンジ」がその代表例です。ポリオ撲滅はRIおよび財団の長期計画の第一優先活動項目にあげられておりますので、ポリオ撲滅が達成されるまで本寄付への継続的な協力が要請されることになります。
DDF(District Designated Fund、地区財団活動資金)
DDFの原資は、私たちの地区のロータリアンが当該年度の3年前に納めた年次寄付金の金額と恒久基金の運用利益を足し合わせたものの50%です。DDFを地区内クラブ、あるいはロ-タリアンの奉仕活動にどの様に使うかは、地区の裁量で決めることができます。地区が各年度に利用できるDDFの総額は、前述の金額に前年度のDDFの繰越金を加えたものになります。
DDFの使途
DDFの使途については、当該年度の2年前の2月に、ガバナー、ガバナーエレクト、ガバナーノミニーはじめ地区の財団関連委員会委員長、国際奉仕・WCS委員長、社会奉仕委員長などが参加して、DDFシェア会議を開き、プログラム別の使途額を決定します。具体的な使途には次のようなものがあります。
人道的分野:地区補助金、マッチング・グラント
教育的分野:国際親善奨学金、GSEプログラム強化費
地区から財団への寄贈:ロータリー世界平和フェロー、低所得国のための奨学基金プール、ポリオプラスなど
WF(World Fund、国際財団活動資金)
国際財団活動資金(WF)には、ロータリー財団への年次寄付の総額と恒久基金運用利益の総額の合計の50%が当てられます。その使途はロータリー財団管理委員会がを決めます。WFは財団本部の奉仕プロジェクトの他に、マッチング・グラントやGSEなど地区内クラブやロータリアンのプログラムにも使われています。