松本国際高等学校 インターアクトクラブご紹介
松本国際高等学校 インターアクトクラブ顧問 前原直美様
松本国際高等学校 インターアクトクラブ顧問
前原直美
松本国際高校インターアクトクラブの担当をしております前原直美(まえはら なおみ)と申します。
私はこの4月から松本国際高校に赴任し、国際バカロレアクラスと普通科クラスで英語を教えております。それ以前は、1 6年間東京の私立の一貫校で教員をしていました。その間、英語学習だけでなく、海外研修の企画と実行、海外交流などを担当していました。昨年の今頃は、前任校で一区切りをつけ、長野県で暮らしたいという長年の夢を実現しようと奔走しておりました。
国際ロータリークラブ2600地区の大森美和さん、乾みゆ紀さんの紹介を経て、松本国際高校にご縁があり、現在に至っております。さて、赴任して早々に校務分掌で私がインターアクト部の担当になっていることを知りました。国際ロータリークラブについては、先ほどお名前が出ましたお二人から話を聞いておりましたが、恥ずかしながらインターアクト部については全く聞いたことがありませんでした。
前校長の永原先生が、本校のインターアクト部設立に貢献されたことは、ご本人より伺っておりました。コロナ禍ということもあり、校外での活動はもちろん難しい時期ではありましたが、残念ながら本校ではインターアクト部は活動が十分にできていない状態存在だったようです。
昨年度までおられた担当の先生が急遽辞職され、引継ぎが十分でなかったことも原因でした。校内での認知や理解も低く、いわゆる風前の灯状態であったことは否めませんでした。
6月2 5日に松本第一高校で行われましたIAC2600地区大会についても、インターアクト部に籍を置いていると思われる生徒のみに情報が開示されるにとどまっていました。地区大会参加締め切り後に、その内容が大変興味深いものだったことを知り、とても残念に思いました。生徒は参加できませんでしたが、松本国際の担当教員として、当日私は一人で参加させていただきました。他校のインターアクト部の生徒さん方の様子や、活動報告、大会でご用意いただいた午後の様々なプロジェクトに参加してみて、「松本国際の生徒にも参加させたかったな」と思いました。このような企画に興味を持ちそうな生徒がいたことを知っていたからでした。この日から、松本国際のインターアクト部をアクティブにしなければ、と思うに至りました。そして、本校の気概のある生徒を部員に取り込み、共に活動を始めたいとも考えるようになりました。話が変わりますが、私が現在松本国際高校で主に担当しておりますのは、長野県で唯一の国際バカロレア「日本語テイプロマプロ
グラム」の生徒たちです。
ご存知の方もおられると思いますが、バカロレアの授業の中に「CAS」というものがあります。CはCreativity, AはActivity, SはServiceの略語になります。Creativity創造すること、Activity行動すること、Service地域や世界のコミュニティーの一員として奉仕活動をすることを通して、その重要性を認識するプロジェクトです。6月の地区大会中考えていたのは、まずは本校のバカロレア生と共にインターアクトの活動をしてはどうだろうということでした。インターアクト章典には「奉仕、国際理解、リーダーシップ育成に寄与する世界的な友好」と記されております。
国際バカロレアの生徒が現在プロジェクトとしていることを、もっと大きな視野で考えさせたいと思っており、大会後すぐに生徒たちインターアクト部に入って共に活動しようと誘いました。運動部で頑張っている生徒たちにはなかなかインターアクト部の活動に参加を誘うのは難しいのですが、普段から世の中の事や自分の疑間を探求している生徒たちに このクラブの活動にアイディアを出してもらうと、心強いほど良い反応がありました。
インターアクト章典の内容を理解してくれた生徒たちと話した「できそうかもしれない」「やってみたい」 これからの企画についてここでお話します。まず上がったのが、長野県の高校生として知らなければならない松代大本営跡の見学、村井にある長野県聾学校との交流、オンラインによる国際交流、海外研修を通じての国際交流です。
まず、松代は早速高校2年生と3年生が夏休み中に見学に行ってきました。機会がありましたら生徒たちには発表してもらいますが、見学後の感想は
「知らないことを知ることができた」「深い学びになった」ということでた。
また、聾学校との交流は10月に文化祭の企画で参加します。本校にいる聾学校出身の生徒に話を聞き、楽しい企画で子供たちと良い時間を過ごしたいと考えています。計画中、遊びのルールの伝え方、安全な遊びなどを丁寧に考えています。聾学校との交流は、卓球部との交流など一回で終わってしまわないようにしたいと思います。次に、オンラインによる交流は、アメリカアップル社で働く峯村涼子さんからのからお話、またカンボジアの子どもたちとのオンライン交流を行います。
対面での講座は2600地区グローバル奨学生学友メンバーである井川太介さんにキャリアマネジメントを含め、海外で仕事をすることの難しさや面白さなどを、これから社会で活躍する生徒たち向けにお話をしていただき、生徒たちと質疑応答をお願いする予定です。松本国際のインターアクト部の生徒たちは日本語講座や他の社会問題についても多方面の方からお話を伺い、自らの学びにしていますので、大変有意義なものになると期待しております。
私は前任校での海外研修を実行してきました。また、私自身が個人の留学および仕事の関係で海外経験が少々あります。その経験をもとに来年春にはカンボジア研修も企画しております。もちろん、生徒自らが計画を立て、活動に移すのが道理ではありますが、残念ながら今の現役の高校生たちはコロナの時代に校外との折衝を分断され、禁止される状況で約3年間を過ごしておりました。そのため、発想や考え方の幅が小さく、インターネット上で解決させようとしています。
自ら動くことがわからなくなっています。そこで、今回インターアクト部に人っている生徒たちには、私が話題を振って、それ以降は自分たちで考えて企画するように仕向けています。失敗することがあっても、自分たちで一生懸命考えて心を込める、相手を思いやる心、理解する心を育ててほしいと思っております。今年の活動がやがて、松本国際のインターアクト部の核となり、多岐にわたる活動に広がってほしいと願っています。
現在はバカロレアの生徒を中心としておりますが、より多くの生徒たちが私たちの活動に参加し、共に発展することも期待しています。また本校にとどまらず、他校の生徒たちとも協力しあってやりがいのある活動になっていくことを祈っています。
高校時代は実際のところ約2年しかありません。3年生は人試や進路のことで時間がありません。
それでも、自分以外の人々や地域に貢献したという達成感のある日々にしてほしいものです。
私自身はまだまだロータリークラブのことなどがわかっておらず、いつも「それは何ですか」という愚問ばかりして、担当の方々にはご迷惑ばかりおかけしておりますが、活動を通して私も生徒たちとともに、新しい分野に足を踏み入れながら、皆様のお役に少しでも立てればと思っております
。
改めまして、今後ともよろしくお願い申し上げます。
(掲載写真:9月24開催 松本国際高等IAC研修)