日本銀行券 新札発行について
日本銀行松本支店 支店長 山本格様
日本銀行 松本支店
山本格
先日、日本銀行では、2024年7月前半をめどに、新しい日本銀行券(お札)
の発行を開始することを公表しました。
新しいお札は、最新の偽造防止技術を採用しているほか、ユニバーサルデザ
インにも配慮したものとなっています。また、肖像や図柄も、それぞれ新しく
なります。
偽造防止技術の例をあげれば、新しいお札には、立体ホログラムが採用され
ます。これは、ホログラムの肖像や図柄が三次元に見えて回転するもので、お
札への搭載は世界で初めてです。すでに発行されているお札にも様々な偽造防
止策が採用されていますが、印刷技術は年々進歩していることなどから、一定
期間に一度、このように銀行券を新しくすることが必要です。なお、新しいお
札の発行が開始された後も、現在流通している日本銀行券は引き続き通用しま
す。
また、ユニバーサルデザインの観点からは、額面数字を大きくしてお札の種
類を識別しやすくしたり、指で触って種類が識別できるマークを採用したりし
ています。
他方、世の中では、決済のキャッシュレス化が進展しています。お札などの
現金も、デジタル化してはどうかという議論がありますが、検討すべき点も多
いことなどから、多くの中央銀行は慎重です。日本銀行も、現時点において、
デジタル通貨を発行する計画はありません。実際、キャッシュレス化が進むも
とでも、お札の需要は根強く、発行高は年々増加しています。
日本銀行松本支店でも、関係機関とともに、新しいお札の発行に向けた準備
を進めています。取り組みを通じ、皆さまが安心してお金を使えるよう努めて
いきます。
私自身は、昨年の7月に松本に着任し、ちょうど1年たちました。これまで
、平日の仕事だけでなく、週末も利用して県内77の市町村を訪問しましたが、
信州は、産業、自然、文化や歴史等が多様で豊かだと感じます。新しいお札の
肖像に採用された方々や、図柄のデザインにゆかりのある場所もあることから
、1年後の新札の発行開始時期までに、そうした場所も多く訪れてみたいと考
えています。
略歴
松本支店長 山本 格
ヤマモト イタル
(昭和 47 年 7 月 17 日生 50 才)
東京都出身
平成 9 年 3 月 一橋大学経済学部卒業
平成 9 年 4 月 日本銀行入行
平成 21 年 7 月 金融市場局企画役
平成 23 年 7 月 システム情報局企画役
平成 25 年 7 月 金融市場局企画役
平成 27 年 6 月 金融機構局企画役
平成 29 年 6 月 金融市場局企画役
平成 30 年 7 月 国際通貨基金へ出向
令和 3 年 7 月 国際局総務課長
令和4年7月 松本支店長